デンマーク、世界の果てでアート印刷に特化する印刷の楽園 ナラヤナ・プレス

インタビュー・執筆:

デンマークのコペンハーゲンで出版されている『プレソラ・マガジン』は直訳すると「過剰なマガジン」ーーその言葉に納得してしまう秘訣のひとつが、コペンハーゲンから車で3時間ほどの奥地にある印刷所ナラヤナ・プレス(Narayana Press)によるアート特化印刷だ。アートとサイエンスを横断しながら現代を読み解き、縦70cm×横50cmという超大判サイズに、美術品レベルとも言える超高精細のオフセット印刷。過剰と呼ぶに十分なこのマガジンの印刷所を訪ねて、日本初の潜入取材がこの度実現。アート関係者たちが憧れてやまない“世界の果て”へと向かった。

Denmark, a printing paradise specializing in art printing at the end of the world Narayana Press

Copenhagen, Denmark, `` Plesora Magazine '' is an `` excessive magazine ''-one of the secrets to convince the word is the Narayana Press (3 hours by car from Copenhagen) It is art-specific printing by Narayana Press. Interpreting the modern world while crossing art and science, ultra-high-definition offset printing that can be said to be at the art level in an ultra-large size of 70 cm long × 50 cm wide. Visiting the magazine's print shop, which is enough to call it excessive, realized Japan's first infiltration coverage. We went to the “end of the world” where art-related people longed for.


HIGHLIGHT:

農業王国の真っ只中で出会った「砂の城」

「うーん、デンマークの香りだ」

開いた車の窓から干し草の匂いにまじって牛や豚の糞の匂いが入ってくる。アーティストのアダム・イェペセンが運転する車は、牧場の中を走り抜けていた。コペンハーゲンから1時間ほど高速道路をドライブすると、見える景色は農業国デンマークらしい農地一色になる。

アダムは、彫刻家であり、写真家でもあるアーティストだ。デンマークのカロンボー生まれで、現在はアルゼンチンのブエノスアイレスで生活し、創作活動を続けている。

彼はこの日、20年に渡る創作活動の集大成である写真集『ERROR OBJECT STRUCTURE』の刷り上がりを確認しに、コペンハーゲンから約300キロ離れた街、ギリングの外れにある印刷工場「ナラヤナ・プレス」に向かって高速道路を飛ばしていた。Bound Baw取材班がアダムの車に乗っているのは、この印刷工場こそ、珠玉のアートマガジン「プレソラ・マガジン」が印刷されている場所だからだ。

MEDIA, ACADEMIA森 旭彦boundbaw