メディアアートと建築の可能性。「Ouchhh」が提示する、都市に侵食するアートサイエンス

インタビュー・執筆:

1月18〜19日の2日間、「都市」をテーマとしたカンファレンスを主とするリサーチプロジェクト「METACITY」が幕張メッセの国際会議場で行われた。このイベントに、トルコ・イスタンブールに拠点を置くニューメディア・スタジオ「Ouchhh(アウチ)」が初来日。世界各地で独自性の高いパフォーマンスを繰り返し、近年は都市空間をキャンバスにアートサイエンスの挑戦を続けている。彼らのMETACITYでの講演「メディアアート × 建築の可能性」およびインタビューから、Ouchhhが提示する、公共空間におけるアートの関係性を考察する。

Media Art and Architectural Possibilities. Art science that erodes the city presented by "Ouchhh"

A research project "METACITY", mainly for a conference on the theme of "city", was held at the International Conference Center in Makuhari Messe for two days from 18 to 19 January. At this event, the new media studio "Ouchhh" based in Istanbul, Turkey will visit Japan for the first time. Repeating highly unique performances all over the world, in recent years the art science has continued to challenge the urban space canvas. From the lecture "Media Art x Architectural Possibilities" and interviews at their METACITY, we examine the relationship of art in public space presented by Ouchhh.


HIGHLIGHT:

アートが都市に存在するとき、何が起こるか

​講演後の短いインタビューで、フェルディに「都市とアートは、どのように良い関係性を構築できるのだろうか?」と尋ねてみた。

「アートは問いを作る営為であり、問題解決の手段ではありません。よって、アートが都市の問題そのものを解決したり、効率性を高めたりすることには期待していません。しかしアートが都市空間に存在することで、都市の中に存在する問いと解決の循環を刺激できると考えています。

つまりアートが都市内にあることで、その都市のあり方が変わる。すると再びそのデータを用いてアーティストが作品をつくることがあるかもしれない。アートによって変化した都市を、その後リバースエンジニアリングできるという面白さがあります。それが結果として、都市に何か良いことをもたらすことは期待できるかもしれません」

MEDIA, ACADEMIA森 旭彦boundbaw